わーわーあー言うとります。

「わーわー」書いて、世界を「あー」って言わせたい。

サイバーエージェントの藤田社長が激怒した対象は「人」なのか「事」なのかが重要だ。


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すっかり夜は肌寒くなりましたが、その肌寒さを少し和らげる炎上記事が話題になっております。


私が退職希望者に「激怒」した理由 (藤田晋氏の経営者ブログ) :日本経済新聞

すでに纏める必要もないですがざっくり言うと以下のとおりです。

 

  • 若手社員「やっちまった!会社に億単位の損失出しちまった」(数年前?)
  • CA「失敗してもまたチャンスやるよ。次で回収しろよ」
  • 若手社員「わ!やべ!セカンドチャンス来た!プレッシャーだよ(白目)」
  • 若手社員「他社からオファー?やべぇチャンスだ!会社辞めるわ」
  • 藤田氏「おんどりゃ!簡単には許されへんでぇぇぇっぇ(ぶち切れ)」

 

ちょっと憶測も入ってますがこんな感じだと思います。

この件に関してネットでは大きな反響を呼んでいる様です。恐らく藤田社長の対応について批判的な意見が多いと思いますが『前提条件』や藤田社長が激怒した『対象』によってはまったく見方が変わるかなーと個人的には感じました。

 

セカンドチャンスの与えられ方

記事にもありますがCAには「挑戦した敗者にはセカンドチャンスを」という価値観があるそうです。社員の失敗した経験は会社の資産。これは本当に素晴らしい制度であり価値観だと思います。ただし与えられ方はどうなのか?

仮にこの社員がセカンドチャンスを自ら立候補して再度自分の気持ちを鼓舞出来る様なプロジェクトであった場合は当該社員に問題があると思います。

しかしセカンドチャンスが上記の憶測に記した様に、会社から半分無理矢理与えられたニセモノチャンスであれば会社にも非があります。

記事からはこの「前提条件」が読み取れないので一概にCAに問題ありとも言えません。

どちらにせよプロジェクトを途中で放り出す様な社員に、セカンドチャンスを与えた会社の任命責任もあるし、社員が退社する事についても就業規則に則れば「良い」「悪い」はおいといて「問題」はないはずです。

では藤田社長はなにに激怒したのでしょうか?

 

怒った対象は「人」か「事」か

ビジネス書にも良く書かれておりますが「怒る」と「叱る」はベクトルが全く違います。そして「怒る」にせよ「叱る」にせよ、その「対象」によって人々が受ける感じ方は全く変わります。イメージはこんな感じ。

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「怒る」は感情的。「叱る」は論理的。そしてその対象が「人」か「事」かで以下の様になる。

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今回の藤田社長は意図的に「怒った」と自身でも言ってるので意図的に「感情的」に振舞った事は事実です。問題は対象が「人」なのか「事」なのか?

仮に「人(社員)」に「怒った」のであればそれは八つ当たりです。しかし当該記事の中には以下の様に記されています。

今回も、辞めた社員の事を憎くいと思って激怒したのではありません。正直に言えば『かわいそうな事をした』と思ってます。それでも組織の未来のために、大勢の社員を率いる立場として、あえて毅然とした態度をとったのです。

恐らく藤田社長が当該社員を呼び出して直接激怒する様な事は会社の規模から見ても無いと思うので、藤田社長が言う『かわいそうな事』とはセカンドチャンスを与えた方法や会社がフォローする仕組みや仕掛けが足りなかった点(事)を『かわいそうな事をした』と言っている様な気がします。

そうなると藤田社長は「事」に「怒った」のではないでしょうか?そうした振る舞いをあえてする事で会社としての価値観や姿勢や想いを伝えたかったのではないでしょうか?

 

想いを伝える手段が正しかったのか?

しかし今回のやり方は失敗だと個人的には思います。『社内』へのプラス効果は絶大だった事は予想が付きますが、『社外』へのマイナス効果も同じぐらい大きかったと思います。

なぜなら今回の記事を読んでITエンジニアが『是非CAに入社したい』と思わせる内容になっていないからです。なにより致命傷なのはセカンドチャンスと言う素晴らしい制度がマイナスイメージとして捉えられてしまう可能性が高いところです。

恐らく今回の記事は藤田社長も目を通した上で掲載されたはず。アメブロというメディアを運営している会社の社長であれば今回の記事がどの様に捉えられる(炎上する)かは予想出来たと思います。

それでも掲載をしたと言う事は『社外』よりも社員数3000人の『社内』に向けて大きなインパクトのあるメッセージを伝える事を優先したということになります。3000人規模になるとそれぐらいやらないと本気度が伝わらないのでしょうか?それとも『社内』に想像以上の緩みが出ているのでしょうか?

 

まとめ

ネット上では本件について「良い」「悪い」と言うところが論じられてます。前述したとおり対象が「人」や「事」なのかで印象は大きく変わりますが、どちらにせよ藤田社長の気持ちは少し理解出来ます。

だって自分が本気でやっている事を一緒にやってる仲間が放り出したらそりゃ怒るでしょう?もし怒らないのであればそれは途中で放り出した仲間と一緒で「会社」や「仲間」に無関心なんだと思います。まぁ「社員」は「仲間」じゃなくて雇用契約を結んだ従業員ですと言われたら何も言えないですが(笑)

 

わーわー言うとりますが、あーっと言う間にお時間です。さようなら。